2005年7月7日木曜日

<b>障害者自立支援法案に対する意見書</b>

 旭川市議会第2回定例会では6日、日本共産党能登谷繁議員が提案した「障害者自立支援法案の審議に対する意見書」が全会一致で可決されました。
 この、障害者自立支援法案に対する意見書は、市内障害者団体から寄せられた陳情をもとに、能登議員が成文化し提案しました。
 意見書の内容は続きを読むをクリックして下さい。


障害者自立支援法案の審議に対する意見書

支援費制度と介護保険制度の統合論議は,全国市長会の「介護保険と障害者施策の一方的統合に反対する緊急決議」(昨年11月)も出される中で,法案化直前の昨年12月に「先送り」となった。ところが政府は,昨年10月に厚生労働省が提案した「今後の障害者保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」を基調に,「障害者自立支援法案」を本年2月に閣議決定し,今国会に上程した。
 「障害者自立支援法案」は,障害種別を超えた福祉サービスの一元化や,課題が山積している障害者施設制度を大幅に見直すという積極面は評価できるものの,一方で多くの問題点が指摘されている。
 その主な問題点は,国家財政の危機に端を発した介護保険との統合が「先送り」となったことから,施策の財源根拠を「応益負担」による利用者・家族の負担増とともに,市町村の多額の財政負担によるものとなったことである。
しかし,障害のある人々の主な所得保障である障害基礎年金は,生活保護費よりも低額であり,到底「応益負担」に耐えられる水準ではない。現状の所得水準で「応益負担」に移行した場合,家族依存に頼らざるを得ず,ますます障害を持つ者は自立から遠ざかることが予想される。
また,「障害者自立支援法案」では,現行の障害者福祉施設制度を再編し,小規模作業所(地域共同作業所)についても法人格を取得することで,再編後の施設制度に適用することとされている。しかし,小規模作業所に限らず,多くの通所授産施設でも,再編後の施設制度では「地域活動支援センター」(新規創設)への移行が想定されるものの,その財源はすべて市町村の裁量的経費(一般財源)とする方向である。
さらに「地域活動支援センター」などの「働く場」では,新たに利用料負担の導入が想定されており,障害者団体からは「働きながら利用料を支払うのは社会通念上からも奇妙であり,就労意欲の減退が懸念される」と指摘されている。
「障害者自立支援法案」には,こうした大きな問題点がありながら,関係団体や市町村の意見を十分に反映されないまま,余りにも拙速に法案が審議,可決されようとしていることに,関係者や多くの国民から不安と危惧の念が広がっている。
よって,政府においては,障害者自立支援法案の審議に当たっては,下記の事項を考慮するよう強く要望する。
�� 「障害者自立支援法案」の審議に当たっては,障害のある人々の実態や要望を尊重し,関係団体や市町村の意見を十分に反映させること。
�� 「応益負担」の導入に当たっては,あわせて所得保障の充実を図ること。
�� 「施設体系の再編」に当たっては,国の財政責任を明確に位置づけること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
旭 川 市 議 会

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